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No.54邸-山下要子さんへ心から ありがとうを・・・

山下要子さんへ心から ありがとうを・・・

2006年4月24日 放送 山下要子さんが 2006年8月2日・・・
他界されました。
心優しい山下要子さんを いつまでも心の中に・・・
そして家族の皆様の為に このページを作成しました。
山下さんご家族:夫 哲弘さん・妻 要子さん・長男 泰弘君・次男 誠君・三男 俊平君 

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山下要子さんの御主人から放送前に届いたメールを紹介します。妻の骨髄移植してからの再発入院で 今思えば家族皆沈んでいた時、息子のFAXで始まったリフォーム。男だけで生活していた我が家を変身させて頂きました。先生、スタッフの皆様本当に有難うございました。「私が死んだ後線香上げに来ていただく方に今のまま家に上げることが出来ない」そして、テレビで活躍されている安東先生のことを口癖みたいに話していました。その先生にお会いして、リフォームが進むにつれ病状も先生からパワーをいただき今も快方に向いています。撮影中、家族にもいろんな悩みが降りかかりましたが、先生初めスタッフの皆様が我がことのように一所懸命作業されるのをみて解決といかないまでも乗り越えることが出来ました。リフォームを通じて私たち家族に生きる勇気を頂いたような気がします。 要子さんが入院の為、長男とご主人が交代でキッチンに立っていました。築16年の山下家。ご主人・長男・次男・三男の男4人で生活しています。この家が新築後わずか1ヵ月後、妻要子さんは入院・現在に至っています。長年の男ばかりの生活で掃除が行き届いているとは言えない状態になっていました。せっかくの食器棚がリビングに。家事導線の効率が悪いですね。リビングスペースです。奥さんが好きなカントリー調家具がいくつかありますが、目的無く配置されていて統一感がなく、家具の周りには洋服や書類が散乱していて生活感が溢れていました。リビング横の和室。要子さんが使っていた折り畳みベッドも残されていました。夫婦の寝室に使っていた6畳の和室。しかし入院後は家族の洗濯物が山の様に積み重なり物置状態になっていました。ペットのトイレシートもありますが、若干畳に浸み込んでいました。 2階は子供部屋。今回のリフォームで一緒にお片づけします。画像左から長男の部屋・次男の部屋・三男の部屋です。長男の部屋には夫婦の収納タンスやクローゼットが置かれており、特に窮屈な空間になっていました。安東は、リフォームがスタートする直前に闘病中の山下要子さんを訪ねていました。山下要子さんは安東に一生懸命想いのたけをぶつけて下さいました。「先月一時帰宅の許可が出て家に帰った時に我が家じゃなくなっていたんです。それですごく落ち込んで。自分の帰る家がなくなったような気がして。それでどうにか先生のお力を借りてできるならって思って。それを家族に言ったんですよ。そしたら家族はみんな賛成してくれたんです。そしたらすごく希望が持ててきて。私はこの病気の事を全て受け入れています。だから自分の行く末も全て分かっているので、その上でリフォームのこととか考えていたんです。もし・・・自分が亡くなった後とか・・・やっぱり男ばかりになるから、きちんと整理して旅立ちたいというのが一つあったんです。」山下要子さんの想いを心に刻み、リフォームをスタートさせました。 お父さんごめんね ごめんね、お父さん。 本当にごめん、こんな私でわがまま言っていいかな~、 今の内に。ありがとう。あなたがいたから私は幸せでした。私は何もしてあげられません。あなたの愛にこたえることも、そばにいて怒ることも、一緒に笑うことも、泣くことも。でもずっと、ずっと傍にいてあなたを見守っているからね。 一度、体中の力を抜いて当たり前に生きてみてください。そして人生をもっと、もっと楽しんでください。  貴方へ 貴方に出会えて本当によかった。優しさを、励ましを、 思いやりをたくさんありがとう。これからもずっと傍で笑っていてね。たとえこの生命が果てたとしても、ずっと貴方の傍にいるから。次の世でもその又次の世でも 貴方だけにはぜひ又めぐり合いたい。貴方がいたからここまで頑張ってこられた。ありがとう。もう一度生まれ変わったら  もう一度貴方に逢いたいなぁ~ 約束 辛い日々 どこまで続くの? この長い道のりもう疲れちゃったよ。神様まだお許しが出ませんか?私にはまだ何かすべき事があるのでしょうか?神様 私は生まれてくる時どんな約束をしたのですか? まだその使命を果たしていないのですか?私はもうこれ以上の苦しみに耐えられません。 2階の子供部屋から片付けていきました。まずは収納が多い2階の子供部屋から片付けます。特に長男 康弘さんの部屋には夫婦が既に使っていない洋服が収納されている洋服タンスやクローゼットが置いてあり、圧迫感のある窮屈な空間になっていました。次男の部屋も片づけを進めます。今回のリフォームには家族以外にも親戚一同集まり、片付けを手伝ってくれました。次にキッチンを整理していきます。調理器具はモチロン調味料などが雑然と置かれたキッチンから賞味期限切れの食材などをご主人と一緒に整理していきました。L字型のキッチンは吊り戸棚と流し台の一部を撤去。無駄のない作業導線を確保したI型へとコンパクトになりました。 L字型キッチンをI型キッチンへ変更しました。L字型で家具とキッチン用品でひしめき合っていたかつてのキッチンは、流し台の一部を撤去しI字型キッチンに生まれ変わりました。これでキッチン周りに食器棚などを置く必要なスペースが確保されました。次にキッチンを整理していきます。整理タンスをキッチンの後ろ側へ移動していきます。次にリビングにあった食器棚の上部棚のみ移動し、整理タンスの上に組み合わせて配置しました。安東特製の食器棚の完成です。キッチン後ろに安東特製の食器棚を設置しました!家具を組み合わせて作った山下家オリジナルの食器棚が完成しました。引き出しタイプの整理タンスをキッチンに置くことで、使いやすさと収納力が大幅にアップしました。間にはスペースを設けたので電子レンジなどの家電も置くことができますね。下段の整理タンスは大容量の食材ストック収納に生まれ変わりました。引き出しにはお箸などの生活用品や調味料や食材がたっぷり収納できます。収納する際、いらなくなった空き箱等を使えば整理しやすく、何があるのかが一目で分かります! リフォームがスタートして1週間後、外出許可が出た要子さんの希望で家具を見に行きました。3人が訪れたのは家具のアウトレットショップ。オットマン付のリクライニングチェアに興味津々です!リフォームがスタートしてから要子さんは少しずつ元気を取り戻していました。自宅では三男俊平君がトイレ掃除を頑張ってくれていました。トイレ掃除は人生初めてだったそうです。 暗闇 眠れない長い夜、止めどもなく流れる涙。何故だろう、涙が止まらない。心がとっても痛むから。皆にいつも心配ばかりかけている。主人にもすごく負担をかけている。早く楽にさせてあげたいけど楽にできると言う事は、私がこの世から去ると言う。それは主人にとって良い事なのか。どうなんだろう。話し相手がいなくなると言う事。ドライブする相手がいなくなると言う事。愚痴を言う相手がいなくなると言う事。私という肉体がいなくなると言う事。相談相手がいなくなると言う事。一人になった時、寂しくなるという事。大事な事って何だろう病が教えてくれた幸せだってある。幸せってそこら中に転がっているよ。ちぃちゃな幸せ見~つけた。人の温もりが手を通して伝わる。手の温もりが心の中まで温かくしてくれる。幸せってほんの細やかな事から生まれてくるんだよね。 幸せってすぐ傍にあるのに 気づかないんだよね。人の優しさとか思いやりが なんだかとっても不思議な位心に沁みる時があります。 作業に戻ります!1階和室をリフォームします。夫婦の寝室に使っていた6畳の和室は畳からフローリングに変更。さらに、すのこと合板を組み合わせて要子さんの為に家具を作りました。息子3兄弟も手伝ってくれました。和室に要子さん専用のベッドが完成!布団やぎゅうぎゅう詰めになっていた押入れは取り壊して、そのスペースに10個のクリアケースを置いて要子さん専用のベッドを製作しました。さらに床の間もクローゼットに変更し、要子さんの荷物を1階にまとめました。要子さんのベッドにはロールカーテンを、クローゼットにはカーテンを取り付けました。ロールカーテンはベッドを使用しない時はもちろん使用時の目隠しにもなります。 リフォームを開始して2週間後には家の中もすっかりキレイになりました。1枚のFAXからスタートした今回のリフォーム。それぞれ問題や悩みを抱えながらも闘病中の母のために、家族一丸となって作業を進めてきました。築16年の山下家。家が完成した翌月に要子さんの病気が発覚。以来入退院を繰り返す要子さんの代わりにご主人と長男康弘さんが家事を担当してきました。男4人の生活下で雑然とした山下家をもう一度、要子さんが帰ってきたくなるような家にするため家族全員で力を合わせて頑張りました。 生活用品であふれていたかつてのキッチンはシンプル清潔なキッチンへ。吊り戸棚と流し台の一部を撤去しただけで、見違えるほどスッキリしたキッチンになりましたね。整理タンスと組み合わせた食器棚が流し台の後ろに来たことで作業導線も効率よくなりました。沢山置いてあった生活用品はすべてキッチンへ収納し流し台・ガス台廻りもすっきりしました。スッキリしたキッチンからの眺めは最高ですね。リビングは要子さんの好きなカントリー調家具だけにしたらこんなに素敵に。カントリー調家具や普通の家具が目的無く、統一感なく配置されていたリビングには、カントリー調家具で統一しただけで、こんなに素敵なリビングに大変身しました。出窓廻りにあった生活用品などを一掃し、カフェカーテンを付けることで窓からの採光が十分得られ、リビングが明るくなりました。リビングから素敵なウッドデッキも見えて、山下家のくつろぎの空間に生まれ変わりました。 リビングの一角に要子さん専用スペースを設けました。かつてリビング横にあった和室は、要子さんの体調を考え、専用のベッドとクローゼットを作りました。家族が集まるリビングの一角なので安心です。要子さんお気に入りのリクライニングチェアも到着し、準備万端です。ベッドの横には、要子さんの大好きなカントリー雑貨を飾るスペースを設けました。実はこれらはほんの一部!たくさんあり過ぎて、残りはボックスに入れてベッド下のクリアケースの奥に大切に保管しています。 2階の子供部屋も片付きました。左から長男・次男・三男の部屋です。今回も作業に夢中になってしまい写真を撮り損ねてしまい、撮影画像がありません。VTR画像でご了承下さい。(リフォーム費用が表示されておりますが、当時の金額です。)男4人の生活で掃除が行き届かず、荷物が溢れかえっていた山下家もすっかりキレイに。温かい空間に生まれ変わった今回のリフォーム。あとは要子さんの帰りを待つだけです。 生命 生命がかれてゆく。もっと もっと咲かせたいのに。誰か水を与えてください。もう一度 綺麗なお花に戻ってみたい。そしたら今度は私がみんなの心を和ませてあげたい。もう少し生命をください。綺麗なままでいたいから カモミールの夢 花言葉 :逆境に耐えるエネルギー、親交 私の夢は雑貨屋さん。可愛くて、木の温もりのある小さなお店。好きな物に囲まれて暮らしたい。狭いけどデッキもある。お店の名前は大好きなお花の名前をつけたい。候補はいろいろある。野の花 花の小径 パンジーなど。でも、やっぱりこれに決めた。「カモミール」大好きな、小さくて、白い花。人をリラックスさせて安らかな気分にしてくれる。 木のぬくもりがあるカントリーが好きだった要子さん。スッキリした部屋で家族みんなで今も一緒に。 要子さんは、花が大好きでした。御主人手作りのウッドデッキに花が一杯! 要子さんの一時帰宅の日。要子さんは、玄関から入ってすぐキッチンを見るなり、目を輝かさせて喜んで下さいました。要子さん「本当に家を建て替えたような気持ちです。今日は特に、早く退院してここでもう一回頑張って生きようと思いました。」とおっしゃっていました。要子さんからのお手紙安東先生はじめ、我が家のリフォームに関わって下さった方々や、家族のみんなに心からお礼申し上げます。本当にありがとうございました。

皆さんが大変な思いをして家の中で格闘されているという話を聞きながら、私は一人病室で我が家のリフォームの事を想像しながら病気と闘っていました。日々つらい治療もありましたが、大好きな安東先生とお会いして色々とお話させて頂くようになってから、諦めていた自分の人生にもう一度希望が沸いてきたような気がします。本当にありがとうございました。 我が家のリフォームの放送日までは・・・1日でも長く生きてくれるように。このVTRの放送日は収録1ヶ月後の予定でした。しかしリフォームを進めるうちに要子さんの容態が快方に向かっていました。ご主人は少しでも長く頑張って生きてほしいという願い・希望を込めて放送日を1ヶ月先に延ばしてほしいとおっしゃいました。その後、当初の予定より2ヶ月延びた放送日にも要子さんは一時帰宅でき、我が家のリフォームをご覧になりました。そしてその後は2回ほど一時帰宅ができるまでになりました。最後の一時帰宅はご主人の誕生日。ご主人の誕生日までを見届けたかのように、翌日容態が急変、ご逝去されました。要子さんは生前、ご主人に自分の葬儀での願いを3つおっしゃっていたそうです。葬儀の際に三男に長淵剛の曲をピアノで弾いて送り出してほしい。我が家のリフォームVTRを葬儀場で流してほしい。通夜は我が家で執り行ってほしい。駐車場の問題等で3つめは守ってやれなかったが、1つめと2つめは希望に副うことができたと、ご葬儀の際、ご主人が微笑みながらおっしゃっていました。山下要子さんのご冥福を心よりお祈りいたします。